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沢辺の劇場

 山麓探偵団では、年に一度の一泊を企画しています。それもシュラフで野宿、タープはありますが、テントはありません。
約10年ぶりに参加しましたら、いきなり沢歩きから始まり、滑りやすく、また座りの悪い沢石に足を乗せると足元がぐらついて、身が縮んでしまいました。しかし、もどるわけにも、待機するわけにもいかず、とにかく必死でみんなの後をついていくしかありません。重いザックを背負っての沢登りは、大胆すぎても、慎重すぎても転びそうで、ほんと、「どうして、参加しちゃったんだろう?」と無駄な自問につぶされそうでした。
 二十曲峠奥にある渓谷には、ふだんは林業に携わる人しか足を踏み入れない、静かで美しい渓流が流れています。堰堤(えんてい)を4つ越えれば、沢辺にチェックインできるとかなんとか、気安めを言われるも、最初の堰堤越えでは、仲間に手を引っ張ってもらったり、腰をあげてもらったりで、その先にある3つの堰堤のことなど、考える余裕はありませんでした。
 しかし、なんとかやっと目的地について、薪集め、タープ張りなどをしてから火を囲み、夕食の支度に腰を下ろしました。10人で焼き肉、みそ汁、ご飯、漬物などを食して、寝そべる者、唄う者、楽器を奏でる者、絵を描く者といろいろで、最長老であるわたしは、早々にシュラフにもぐりこみました。
 しかしその後、マスターに起こされてふと火の方を見ると、数人のシルエットが中央で踊る炎を囲み、タープの天井には巨大な影が異様に揺れて、歌声などがかすかに聞こえるではありませんか。
 真っ暗な闇の中で垣間見たその光景は、まるでホモサピエンスのドキュメンタリーのようでした。タープの外では雨も降りだしましたが、それもまた音楽のようで、思いがけない舞台に、ますます引き込まれました。
 翌朝、仲間のひとりに、「火を発見した人間は、炎よりずっと以前から踊っていたはずよね」とききますと、彼女は「そういうことになるね」とうなずきました。

               りすママ
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お知らせ

 わたし、樋口範子が翻訳協力させていただいた、イスラエル現代演劇の公演をご紹介します。演出家も役者さんもイスラエル人、公演言語はヘブライ語、英語で、字幕はありません。もしかしたら、拙訳のプリント配布があるかもしれませんが、演出家の意向で舞台そのものから感じとってほしいと言われる、深層心理劇です。もし、ご都合がつきましたら、ぜひ足をお運びください。場所は、JR両国駅西口改札から徒歩5分の小劇場、シアターχ(かい)です。
 
 
◎イスラエルより ルティ・カネル シアターグループ (両国シアターχ  シアターかい)
 『生きること の ゆらぎ』       入場料1000円
 
   8月30日(木)19:00
      31日(金)14:00
    9月 1日(土)14:00 

 鋭い洞察力でイスラエルという国やその精神性を描く現代作家S.イズハルの小説を、演出家ルティ・カネルが舞台化。小説の本質を演劇的手法で掘り下げた秀作。
 海岸を舞台とする生と死にまつわる2つのストーリーが、人の根源的な存在意義とは何か を問いかける。

  原作:S.イズハル
  翻訳:樋口範子
  構成・演出:ルティ・カネル
  舞台美術:ロニ・トレン
  音楽:イラン・グリーン
  出演:ルティ・カネルのシアターグループ


なお、第91回ごはん会は、9月24日(祭・月)午後6時から、あみんにて行います。前夕までにお申し込みください。

                 りすママ


秋風にのって

 今夏は、ヤマガラの絶対数があまりにも少なかったので、8月12日を期待していました。毎年、8月12日を過ぎるとヤマガラをはじめ、野鳥の数が増えるからです。野生の生き物たちが、月の暦を軸に暮らしていることはよくわかりますが、今年はそれが目に見えません。
 かつて人間も同じように、暦をめくるのではなく、月の満ち欠けや暦を体感していたはずですが、少なくとも自分の五感はもうすっかり退化してしまいました。
  夜中、ムササビとモモンガ、フクロウの声は聞こえますが、姿は見えません。
 今朝の外気温は17度、さわやかな秋風が吹いています。空はいつもより高く感じられます。しかし、それ以外の変化が体感できないもどかしさは、例えようがないほど虚しいものです。ヤマガラの数に気をとられるのも、案外その虚しさのひとつかもしれません。

                りすママ
  

ウチワが大活躍

 山中湖は、朝晩は気温が21度(摂氏)くらいですが、日中はやはり30度近くになり、ウチワがなくては、おちおち、ご飯も食べられません。最近の昼は、友人知人が訪れてくれるので、にぎやかなのですが、どの手にもウチワがにぎられ、みんなパタパタ大忙し。
 夕焼けの美しい晩には、ウチワを片手に西の空を眺め、それぞれの胸にある西の話をして、なごんでいます。以前、どこかにも書きましたが、夕焼けに映る木々のシルエットが、西方を逆光から映しているようで、すでに逝った人々の立ち姿に見えることがあります。
 わずか数分間の影絵劇場、思わずウチワを扇ぐ手が止まります。
 今夏も、西に旅だった人たちが少なからずいて、夕焼けがいっそう赤く目に映ります。西の先は、どこだろうかと?

8月のごはん会は、8月17日(金)午後6時からですので、前日までにお申し込みください。

                          りすママ

長雨大雨の中

 まだ依然として各地で被害のつづく大雨ですが、当地でも連日の突風と大雨で、かなりの枝や葉が落ちました。
ちょっとした晴れ間に、セミが鳴き、ヤマガラのヒナのシーシーという声が森に響くようになりました。ヤマガラの巣立ちが始まったようで、シジュウカラやコガラのすがたも見えます。
 雨空や霧は、天敵から身を守るための絶好の巣立ち日和ですが、それも今夏のように雨量が度を越すと、おそらくエサ探しに苦労するのではないかと、少なからず危惧しています。
 
 今月のごはん会は、7月22日(日)午後6時からですので、前夕までにお申し込みください。

                       りすママ

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