坊やの虫かご

 いよいよ12月を間近にして、外気温が10度以下になり、拙店のテラス席は寒くて使えなくなりました。これから約5ヶ月間は、無人のテラスになるわけですが、こうして閑散とした風景をながめますと、夏の数々の思い出がよみがえってまいります。団欒風景、話し声、そしてエピソードなどが、映画のコマのように現れます。
 夏の終わりでした。まだ就学前の男の子さんでしょうか、大事そうに虫かごをかかえて入店し、わたしたちにそっと見せてくれたのは、コオロギの形をした、いわゆるしっけ虫。何匹か入っていて、坊やは得意顔です。もしかして、昆虫図鑑には載っていない種類かもしれません。親御さんは苦笑しつつも、感想はあえて喉元でとどめておられるようです。
 ここ山中湖の家屋内で採集したのだそうで、彼にとっては、旅先での大収穫というわけです。大事な大事な虫かごをかかえ、坊やはまた帰っていきました。彼の尊い好奇心とその満足感に、こちらの頬も自ずとゆるみます。
 虫とともに、たくさんの思い出も越冬しつつあり、それらはやがて貴重な店の熱源になってくれる、そうだといいなと願います。

                                          りすママ
  
 
 
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くじらのしっぽ

 地図上で、山中湖の形は、ちょうどくじらの形にそっくりなので、〈くじら〉を捩った用語で山中湖を表現することが多々あります。学童保育は、かつて〈くじらっ子〉、ミニコミ誌にも〈くじら通信〉というのがありました。近所のパティシエさんのお菓子工房名が、くじらをひっくり返して〈ラジーク〉。なんて、おしゃれなんでしょう!
 わたしたちの住む平野地域は、ちょうど、くじらのしっぽにあたる部分に位置するので、航空写真を目にすると、ついついしっぽに目がいってしまいます。
「もし、飛行機で富士山近くを通ったら、五つの湖のうち、くじらを、そしてそのしっぽを探してください。そこに拙店がありますから、上空からちょっとお声かけください」などと、半ば本気で冗談めいたことを口にするのですが、先日「たまたま上空から富士五湖がはっきり見えて、くじらも見えたので、しっぽを探して手をふりました」と、おっしゃってくださるお客さまがあり、なんだかぽかぽかしました。
 富士のふもとのくじら一匹、それが山頂や上空から見えるとき、生き生き泳いでいるように見えたら、こんなに嬉しいことはありません。陽にはえて、鏡のようにきらきら光るくじらも、粋なものです。
 他所から帰るとき、方向音痴を棚にあげて、そろそろお腹あたりかな? と、くじらを頭に描いて、湖畔を通ったりもします。道路地図が読めなくても、ちゃんと家に帰れるので、これもくじらさんのおかげだと感謝しています。

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すばらしい紅葉

 例年通り、11月1日から紅葉の見ごろがはじまっています。
山中湖畔の旭日丘付近(加古坂峠から湖畔に出たあたり)の赤色(けやき・かえで・もみじ・どうだんつつじ)が、飴色にすけて見えて、ほんとうに美しい景観です。
 拙店の周囲は、黄色が主で赤が少ないので、わざわざ旭日丘に出向き、紅葉をめでているわけです。たぶん、道志街道も錦秋の見ごろだと思います。
 わたしは秋が大好き。たしかに寒くはなりますが、富士山は鮮明に見えますし、ハイキングは愉快だし、第一に夏を無事にすごせた安堵感にひたれます。
 知人友人の絵画展やコンサートにも足をはこべて、おおいに刺激を受けます。
 そして、渡り鳥たちが南方に帰ったあとの、おなじみさん留鳥たちの姿を、まるで身内のようにほっと眺めることができます。この身内メンバーで、冬を越そうね。留鳥に対していつのまにか芽生えた、一種の仲間意識が最も強く感じられるのも、この時期のようです。
 新芽があっというまに伸び、森を緑でうめつくす春の猛スピードについていくのは、息切れしそうですが、葉が散って、木枯らしが吹くまでの秋のスピードには、体がちゃんとついていけそうなのです。
 秋の魅力をひとつずつ数えながら、きょうもゆっくりと店を閉めました。

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