今夏の涼しさ

 全国の猛暑にくらべ、ここでは例年にない涼しさです。毎年、エアコンや扇風機のない生活での摂氏27度、29度は、けっこう体にこたえて夏バテしていたのですが、今夏は最高で25度、それもほんの数日間で、ほとんどが23度前後の快適な気温に恵まれました。
 汗にまみれることも、うちわに頼ることもなく、ぜいたくな風に吹かれました。特に夕暮れ時の涼しさは格別で、黄昏色に染まる西の空を、最後のお客さんといっしょにながめながら飲むコーヒーもまた、味わい深いものです。まるで、映画のスクリーンに向かうように、ひとりひとりが森に向かってすわる時間帯。なにも言葉を交わさなくても、じゅうぶんに満たされるひとときでした。
 今夏はとくに、オリンピック終了後の中旬以降が忙しく、満席の日々が何日かありました。ご来店いただいたみなさま、ありがとうございました。
 いつまで店をはっていられるか、じっさい悩み多き日々ですが、風に吹かれるときは、なにも考えずに、その涼しさにひたることにしています。
 でも、ひたりきっていれば、問題などなさそうですが、ついついまた邪念が頭をもたげてしまうわけです。涼しさ以上に、いったい何を望むのでしょうかねえ?

                 りすママ
 
        
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1年半ぶりの来客

 まずは、、ムササビ情報ですが。8月6日から3連泊したムササビは、当初二匹でしたが、最終日は一匹になってしまいました。親子だと思いこんだ二匹は、じっさいは同じくらいの大きさで、けっきょく前後して両方とも滑空していったようです。思い描いた親子物語は、残念ながら架空でしたが、ともあれ、毎朝ウキウキさせてもらったことはたしかです。
 そして現在、ウロはふたたび空室となりました。シーーーン・・・・・さあ、次はどんな物語を連れてきてくれるでしょう?

 ゴジュウカラという、全身がロマンスグレー、サングラスをかけて実にシャープで賢い野鳥が、なんと1年半ぶりに現れた朝でした。
 その名のとおり、50を過ぎているので、もうシジュウカラのようなネクタイはなくノーネクタイ、渋くてかっこいいのです。そして、ほとんどがツガイで行動しています。なぜ賢いかというと、樹皮の間にエサを隠す(貯食)習性があり、またその隠したエサを、樹木を垂直に上り下りして、探し出すことも得意だからです。さすが、老後を生き延びる知恵をしっかり身につけていますね。
 昨年は一度も目にすることがなく、店のスタッフが正真正銘のロクジュウカラになってしまったので、遠慮して来なくなったのかしら? と内心うがってみたりもしていました。
 以前、「シジュウカラが10年たつとゴジュウカラになるのですか?」と、真顔で質問された若い女性がおりましたが、もしたった10年で、こんなに素敵に変身できるのなら、人間より分がいいのではないかと、ひそかに憧れるほどです。
 フィ、フィ、フィと彼らは啼きますので、遠くからでも彼らの飛来がわかります。
「ゴジュウカラが来ましたよ」
 この一言で一日がはじまるのを、どんなに長く待ったことでしょう。そして、今朝はその待ちに待った朝だったというわけです。
朝が生き物たちを連れてくるのか? それとも、生き物たちが朝を連れてくるのか? どちらにしても、なにかが必ず新しい、それが山麓の朝、そう感じます。

                             りすママ
 

wanted !

  近くのリゾートマンションにいらしたSさん、「昨夕、ベランダにたぬきが来たの」
「えっ? マンションにたぬき?」
「そう、7階なのに。それが、とっても可愛い顔のたぬきでねえ」
 うちのマスターがピンときて、すかさず心当たりの写真集をお見せすると、まさにwantedよろしく、「そうそう、この顔、この子にまちがいないわ」
「Sさん、それはたぬきじゃなくて、ムササビですよ」
「ムササビ!」
 かくして、二ヶ月前にうちのウロから遊びに出たまま帰らないムーちゃんの行方が、わかったというわけです。
しばらくのムササビ談義のあと、Sさんの帰り際にわたしは一言お声かけをしました。
「Sさん、もし今晩もムーちゃんがおたくのベランダにおりてきたら、あみんのウロに帰るように言ってくださいね」
 律儀なSさんは、わたしの伝言を忘れなかったのです。なぜなら、その4日後の今朝、なんと二ヶ月ぶりに、ムーちゃんがウロに帰っているではありませんか!
「ムーちゃんが帰ってきた、帰ってきましたよお」8月6日の早朝、うちはオリンピックの観戦以上に、わきたっていたはずです。
 そして、双眼鏡でのぞいたり、映像を撮ったりと、大忙し。
 ところが・・・・どうやら、二ヶ月前にいた子とは、大きさも顔つきも異なる、別の個体だということがわかりました。
 それでも、ムササビにはちがいありません。Sさん、伝言役をほんとうにありがとう!
 そして、もっと素敵なハプニングがあり、ウロにもう一匹の小さいムササビが、見え隠れしているのです。「わー、二匹もいる。もしかして親子かも」
 わたしは、ほぼ一日中双眼鏡で観察をつづけました。親と思える大きい個体が小さい個体の毛づくろいをしたり、なめたり、横になって授乳しているような格好をします。さっそくねらってきた小ヘビのウロ侵入もうまく防ぎ、親の鋭い爪を見たのか、小ヘビは早々に撤退していきました。
 そして、日没15分後の午後7時ジャスト、一匹はひらりと滑空しました。まだ幼くて滑空できない子どもは、やはりウロに残ったのを、わたしたちは確認しました。真っ暗なウロの中で、二つの小さな目が光ります。
 夜のとばりが、木々のシルエットを徐々に塗りつぶしていきます。
 はて???・・・・あの子はまだ滑空できないのですから、よそから移動してきたとは、考えられません。ということは、今朝このウロで生まれたのかしら? 
 ということは、あの親は臨月のお腹で、今朝ここにとんで来たのかしら?
 ということは、授乳期間が終わるまで、親は当分このウロに毎朝帰ってくるということかしら? 
 先のことはまだわかりませんが、あの親のムササビは、今この闇の中で滑空と木登りをくりかえしながら木の葉や花芽を採り、母乳と産後の養生のために必死ですし、ウロの中では、子どもがたった一匹で留守番をしています。
 わたしは、その二匹のムササビの夜をじっとかかえて、自分の夜を過ごそうとしています。
 なんて、豊かな闇でしょう。

                      りすママ
 

8月の湖畔

 例年に比べて、山中湖の水量が多く、湖面がふくらんでいるように見えます。春から初夏にかけての大雨が原因で、これから9月にかけても台風の到来が予想されますので、もっと水量が増える可能性があります。
 湧水と降水からなる山中湖の水は、桂川に放水されており、それはさらに相模川へと流れます。しかし下流域でも降水量が多ければ、放水量も制限されますので、いわゆる下流が呑みきれないという状況になり、山中湖の湖面がまた一段と上昇するわけです。
 最近のゲリラ降雨によって、その危機的状況が頻繁に起こるようになりました。
 しばらく湖畔を通らないでいると、水量の多さにおどろきます。えっ? 山中湖ってこんなにふくらんでいたかしら?
 湖岸にしっかり生えていた柳の木が、いつのまにか湖水におぼれそうに見え隠れして、湖岸の位置が広がっている箇所もあります。
周囲の山の稜線から見下ろせば、湖面はキラキラ輝く鏡に変わりはないのですが、近づくと鏡の変化がよくわかります。
 白鳥たちの泳ぐ位置も、以前より高くなっていますから、道路を走る車の全形が、彼らの視界にすっぽりと入ったにちがいありません。
 気象の変化とともに、刻々と変わる景観に気づくのは、人間ばかりではないということですね。

 8月のごはん会は、12日の夕方6時半からですので、前日までに参加申し込みをください。そして、ぜひとも、車窓から、横目で湖面をながめながら、いらしてください。
その話題はきっと、ちょっとした前菜になると思います。

                       りすママ
 
 
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