森で啼くもの

 夜中の一時半から二時にかけて、ときどきフクロウが啼きます。たまたま耳にすると、うれしくてつい頭まで覚めてしまい、しばらくじっと聞き入っています。さびしげな声ですが、やはり哲学的な響きが感じられます。ただ、フクロウは猛禽類なので、ムササビの天敵でもあります。ムササビを狙わないでおくれと、人間さまは一方的な勝手な願いをしたりして。
 ムササビが目の前のウロに最後に帰巣したのが、昨年の8月ですので、早10か月近く滑空を目にしていません。でも、繁殖期のこの時期、鳴き声は聞こえますので、まだこの森のどこかにいることがわかって、ほっと安心。
 アオゲラが、さかんに営巣場所をさがして飛んでいます。ムササビのウロを内覧して、なにが気に入らないのか、入居まではいたりませんでした。たしかに、巣穴の口径が大きすぎですが。
 巣穴の口径というと、先日の探偵団で伊藤浩美カメラマンがおしえてくださいました。それは、ゴジュウカラは、アカゲラの巣穴の口径を泥で左官して、小柄な自分たちのウエストに合わせてから入居するそうです! なんという知恵でしょうか! 
 
 夜中に森で啼くものたちが、昼間どこで何をしているのか? みんな、うまく隠れているのを想像するだけで、頬がゆるみます。それこそが、野生の特技ですものね。ご存知のように、野生と野性は、似て非なるもの。
 泥で左官するゴジュウカラや、葉陰にうまく身を隠す小動物は、りっぱな野生であって、欲にかられてやりたい放題の地球上のある種は、恥ずかしながら、野性全開だということでしょう。

 第52回 チャリティごはん会は 6月21日(日)夜6時からです。前日までに、お申し込みください。 

                              りすママ
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ホトトギス啼きて

 本日、5月15日、ホトトギスの初啼きを確認しました。これから、毎晩夜中に悩まされることを覚悟しつつ、ホトトギスと自分の関係を記したいと思います。
 真夜中をすぎ、午前1時から2時にかけて啼くホトトギスは、ほんとうに睡眠の妨げとなります。「テッペンかけたか?」とずっと訊くので、「かけた、かけたよ、だから静かにしてくれ」と、ここ数十年間どれほど願ったことでしょうか? なのに、ホトトギスは啼きつづけ、結局わたしは寝不足の朝となります。
 今晩からの睡眠が案じられますが、自然現象なので仕方ありません。
 ホトトギスは、わたしにとって平安時代の使者なのです。というのは、万葉集にホトトギスを詠った短歌が多いからです。ホトトギスが啼くと、わたしは一気に平安時代に呼ばれます。
 でも、貴族に象徴される、あの平安時代ではないのです。「土佐日記」「更級日記」「伊勢物語」「源氏物語」「枕草子」など、平安文学は好きではありません。嫉妬心や羨望やかけひきが渦巻く、貴族と官吏の物語は、わたしにはなんの魅力もありません。
 あの時代、一般平民は、どういう思いで暮らしていたのでしょう? 地殻変動による地震、噴火、疫病の蔓延、貧困、そして圧制、人々は飢え苦しみ、日々の暮らしを耐えて耐えて過ごしていたのです。
 わたしたちの祖先が、そういう辛苦を超えて生きながらえていてくれたからこそ、今の自分たちがある、わたしはそう思います。
 ホトトギス啼きて、きょうの命を想う。
たった一種類の野鳥が、そう思わせてくれる長い年月を想いつつ、わたしはきょうも暢気に大相撲の観戦をして、申し訳ないような平成の怠慢にひたっています。

                            りすママ
 

一口に緑色と言っても

 新緑の季節、目の前の森が、日ごとに浅緑色に染まっていきます。すきとおった緑色は、とても美しい色で、エネルギーにも満ちた色です。葉が重なり合うと、そこだけが濃くなって、新しい緑色があらわれます。また、風にゆれると、緑の音がします。おそらく、この浅緑色は、あと10日ほどの命でしょうが、しっかり目に焼きつけたいと思っています。緑の音も、おぼえていたいと思います。
 きょう、きつつきのアオゲラが木をのぼっていくのを、じっくり観察しました。アオゲラの緑色は、浅いとも濃いとも異なる、煎茶色に近い緑色です。かなり大きい鳥で、葉の間にいても保護色ではないのがわかります。
 キビタキのメスを見ました。オスとは異なって、黄色ではなく、しぶい緑色です。小柄ですが、葉の間にいても、やはり保護色ではありません。
 山シャクヤクの白いつぼみを三つ発見しました。豊かなその葉の色は、樹木の緑色とは異なる、気丈な緑色です。
夕食に、きうりの糠漬けを出しました。みずみずしい、美味しそうな緑色でした。
 きょう一日は、緑色だけを見てすぎました。5月ならではの、ぜいたくな一日でした。

                             りすママ
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