台風の前日

 昨秋はクルミの大豊作で、友人のMさんからいただいたオニグルミを、毎夕外テーブルに5個ずつ並べてみました。すると、9月上旬より、りすはせっせとそのオニグルミを運び、地中にうめたり、樹皮や蔓の間に忙しく貯食しはじめました。つまり、りすにしてみれば、隠したつもりなのでしょうが、樹木の中間部分がちょうど店のテラスの高さなので、枝と枝の間にちょこんと置かれたり、蔓の陰にはさんであるクルミが、わたしたちには丸見えなのです。
 隠す姿を想像するだけで、頬がゆるみます。クルミはそれだけで可愛らしいのですが、隠してあるクルミは、さらにチャーミングです。
 外テーブルに並べたクルミの中で、どうしても残される一個を、マスターが割ってみましたら、はたして中身が腐っていました。りすたちには、割らなくても中身の状態がわかるとは、これまた驚きでした。美味しくないクルミは、けっきょく運ばれないままテーブルに残るのです。
 さて、台風が近づいた朝、樹木に隠してあったクルミは全部どこかに消えていました。きっと、地中にうめたか、樹上にある巣に運び入れたかしたのでしょう。
 昼近くになって、りすは今度はヒノキの樹皮を一生懸命に口ではがし、それを両手で丸めて巣材にするらしく、少し離れた樹上に運ぶ作業を、繰り返しています。台風を警戒して、巣を補強するのかもしれません。
 りすは実に働き者ですが、台風の前はさらに働きつづけで、ついつい見とれてしまいました。どうやら、昼食抜きのようです。
 風台風のあとに、りすの巣が落ちて、樹上まで到底もどせないので、中をじっくり観察したことがありますが、総ヒノキ造りの巣は、中にいくほど細い巣材を使い、ふわふわで、それはそれは見事な出来でした。
 今秋の山は、クルミもクリも貧作で、そのせいか熊出没情報を頻繁に耳にします。りすたちにも、もう食糧危機がわかっているのでしょう。外テーブルに置かれた、昨秋のクルミ集めにがんばる理由は、たぶんそれです。
 りすの場合、衣である毛は自然に生え変わりますが、食と住については、野生ですから個々に努力して生き延びていく一生です。
「ほんと、りすにはとてもなれません」。そんなわけで、今回もりす名を返上して、

                              あみんママ

 今月のチャリティごはん会は、10月14日の日曜日、夜6時からです。申し込みは、前日までにお願いします。
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