時差のゆらぎ

 ウズベキスタン内のシルクロードを、16日間かけて旅してまいりました。タシュケント、サマルカンド、ブハラの三地点は、実は二年前にも訪れたのですが、今回は名所旧跡よりも、そこに暮らす人々にふれあう目的で、出かけました。ロシア語も、ウズベク語も、タジク語も全くわからないのですが、ウズベクフレンズという旅のサポート・サイトのきめ細かいご手配と、三日間だけお願いした日本語ガイドさんのご協力で、さまざまな人々に出逢い、前回よりずっと、現地の暮らしに近づけた感動があります。
 現地の外国語大学の日本語授業に飛び入りさせていただいたり、各地のユダヤ教会を訪問したり、日本人墓地やユダヤ人墓地に墓參したり、喫茶店でゆっくりお茶したり、現地で働く日本人数名にお目にかかったり、毎日が予想以上のご縁で展開していき、まるでNHKの「鶴瓶の家族に乾杯」みたいな道中で、ほんとうに実り多き16日間でした。
 事故や事件に遭遇することなく、無事に山中湖に帰宅しました。荷をおろし、荷をほどきつつ、自分がすでにシルクロードにいないことを次第に認識していく中で、荷から取り出した目覚まし時計の針だけが、依然として4時間前の現地時間を指しているのに気づきました。
 自ら目覚めない目覚まし時計は、大事な仕事を忘れているのに平気の平ちゃん、すまし顔で午後3時20分を刻んでいます。眠ったふりして、まだまだずっと、あの世界にひたっていたいのでしょうね。
 だからわたしも、今急に日本時間に合わせてしまうと、自分の旅の思い出まで消えてしまいそうで、時計の針をしばらくそのままにしておきました。
 
  ねぼすけな目覚まし時計がくれた
  思いがけない4時間前のひととき。
 時差のゆらぎを味わう 
  いくらか未来の今 
  


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                             りすママ
 
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