山麓にも春

 例年どおり、3月下旬にフキノトウを見つけ、さっそくフキ味噌や天ぷらにして笑味しました。山麓に住む至福を実感するひとときです。息子たちが幼なかったころ、かごを片手にフキノトウをさがしたのが、いい思い出です。「あっ、ここにもあるよ」「うん、あそこにも」今は、テニスコートやリゾートマンションが建ってしまった場所は、かつてわたしたち家族の大事な散策、採取スポットでした。
 長男が新潟の高校に通っていたころ、ここでフキノトウを採ってから、新潟の学寮にもどるのが、いつのまにか春の行事になり、さすが思春期ともなると、だまって口もきかず、ふたりで静かに歩いて採取した記憶があります。
 今、フキノトウのその苦味ばしった香りをかぐだけで、あのころの陽ざしがよみがえり、それは暖かいというより、ちょっと痛いような感じもします。思春期というのは、本人だけでなく、身内にまでも、得体の知れない閉塞感が伝染する、どうやらそのようです。
 フキノトウが、わずか数日間の季節限定の花茎なのは、ほかに類をみない独特な味と香りなのは、たとえそこに人間の暮らしが介在しなくても、きっとなくてはならない大事な存在なのだと思います。
 こうした自然界の小さな営みに出会うたび、都会暮らしは、ますます遠のいていきます。今年も、都会で暮らす母にたのまれてしまいました。「通りの雑草を、きれいにぬいてちょうだいな」
 細い通りのコンクリートのわずかな隙間から、必死でのびてきたタンポポやカタバミを、どう努力しても、わたしにはぬけません。だから、今のところは耳が遠いふりをして無視していますが、閉塞感に包まれるのは、思春期だけではないと、つくづく感じ入る60数回目の春です。

 今月のごはん会は、仲間展の搬出をかねて、4月14日(日)の夕方6時からです。仲間展に出品されていない方も、ぜひご参加ください。

                   りすママ
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