眼下にアカゲラ

 うちのマスターが、薪割りに勤しんだ翌日、天日に干すために薪をずらっと並べました。一日中、太陽が燦々と輝き、かなりの数の薪は洗濯物同様、甲羅干しのように、じつに気もちようさそうです。
 夕方頃、キョッキョというキツツキの鳴き声がして、窓を開けますと、アカゲラのメスが薪の中に幼虫を見つけてお食事真っ最中です。
 アカゲラは枯れ木、アオゲラは生木をつついてエサをさがすと聞いていますので、すっかり薪になった枯れ木は、立木をつつく労力がはぶけて、アカゲラにはもってこいのエサ場発見といったところなのでしょう。あっちの薪、こっちの薪と、思わぬエサ場に興奮しているのか、ちっとも落ち着きませんが、飛び立とうとしないところを見ると、やはり貴重な大ご馳走にちがいありません。
 しばし、15分くらいの間ずっと、わたしは二階の窓からアカゲラの背中を見下ろすという、めずらしい角度の鳥見をしていました。ふだんは、縦になって木をのぼるキツツキに見慣れていますから、水平に背中を見せるキツツキは細身で、首と胴体のくびれがなく、全長が長く感じます。眼下にアカゲラを見るなんて、めったにできることではありません。
 数年前、アカゲラが近くに営巣して、毎日巣穴からヒナが顔を出し、親がエサを運ぶのを待つ光景にめぐりあったので、今年も近くで営巣してくれないかと、わくわくしてきました。たった数羽のヒナでしたが、その声は森中にひびきわたり、それも、ほぼ10分おきですから、日を追うごとに声は大きく、にぎやかでした。10日くらいたち、ある日ぱたっと静かになったので、巣立ったのがわかったというわけです。巣立ったアカゲラのヒナたちが、小ぶりでも一人前に腹に赤い色をつけ、梅雨時の木々の間をとび周るのを、ひとりで見るのはもったいないなあと思いながらも、正直、独り占めも悪くなかったです。
 さて、栄養をとったメスのアカゲラ、はたしてうまく繁殖してくれるでしょうか! 薪はまだ数日干してあるので、いつでも食事にいらっしゃいな。もう二階の窓からのぞいたりしないから、ゆっくり召し上がってください。そのかわり、近くで営巣したら、そっとわたしにおしえてほしい。「となりに越してきました」って。

                       りすママ 
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