朝の音

 5月上旬の森は、広葉樹の新芽が少し成長した浅みどり色、針葉樹は抹茶色と、わずかな期間(二日間くらい)ですが、見ごたえのある色に染まります。
 その森からきこえる朝の音は、りすのクルミをかじる音カシャカシャカシャ、野鳥たちのさえずり(ウグイス、ヤマガラ、キビタキ、コゲラ)にぎやかすぎて、音文字にはなりません、それに朝霧の次第に晴れていく音じわじわじわ、遠くに、ヘリコプターのプロペラ音パタペタパタペタ。
 夕暮れも至福ですが、朝のゆるんでいく空気も、体にしみていきます。
 やがて、自分たちの生活音が優勢になって、カラスの鳴き声と対抗するようになるころ、最近こっているラフマニノフが聴きたくなり、その中にうまってみたくなります。
 かつて、ラフマニノフがアメリカに移住する前、故郷ロシアで書いた数々の協奏曲、その大地と人生の交差する重厚な曲のなかにも、澄みきった森の音がひろえます。ロシアの大森林とこの小さな一画とでは、スケールは異なりますが、森に暮らす小動物たちのもらす音は、きっと同じにちがいありません。
 大河のうねりから、沢のせせらぎや野鳥のさえずりが聞こえそうなとき、思わずぞくっとしてしまいます。
  時間よとまれ、早急にすすんでいく、だれの示唆で動いているかわからない時計の秒針に、そう声かけてみますが、
  ああ、むなしいかな、朝はもう、駆け足でいってしまいました。

                      りすママ
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