にぎやかな森の中

 目の前の森で、モモンガ(正式にはモモンガア)が啼いているのに気づいたのは、昨年の秋です。まるで、仔犬のように、キャッ、キャッと啼くので、最初はまさか仔犬が高い木の上で??? と不気味だったのですが、光った目と滑空するシルエットを見て、モモンガだとわかりました。
 ムササビは、カラスがうがいをするようにグルグル啼き、モモンガはキャッ、キャッ。大きさこそちがいますが、同類で生態も似ていて、同じ形なのに、啼き方がこうもちがうのは、鳥の鳴き声がそれぞれ異なるのと同じ所以なのでしょう。
 今年も、夜十時半ころになると、モモンガの啼き声が、とても近くに聞こえ、窓を開けますと、樹木を登る爪の音まで聞こえて、ふところは温まりませんが、ふと、こころが温まります。
 こうした森の生き物たちは、おそらく、わたしたちより先住なのでしょうが、ともに暮らしているのにわたしたちが気づいたのは、ここ数年です。今まで知らなかった仲間たちが、思いがけず姿を見せてくるので、そのたびに感動して、笑顔になって窓をそっと閉めたりします。「あっ、失礼、おじゃましました」
 彼らの存在に、長い間、気づかなかった自分たちに、笑ってしまいます。
 夜中は、ほかにフクロウもとび交い、地上ではイノシシも家族で往来していますから、そのにぎやかな中で、寝息をたてる暢気な人間の姿を想像すると、ますます滑稽でなりません。
 住み分けと、時間分けがうまい具合に行われているため、生き物たちとうっかり鉢合わせはありませんが、太陽と月が働きつづけているのと同じに、森も24時間ずっとにぎやかで、そして眠るひまは、多分、なさそうです。

                        りすママ
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