雪道の効用

 ウインタースポーツでないかぎり、雪道を歩いたり、車で走ったりするのは、スリップの危険性があるので、敬遠してしまいます。でも、雪道だったために、命が救われたという話も耳にします。たとえば、青木が原樹海の売店に立つ店員さんが、挙動不審な観光客(多くの場合、自殺企図者は単身で、カメラをもたず、軽装で、きょろきょろしているそうです)に気づき、危ないなとぴんときても、接客が忙しいと、なかなか店をはなれられないのですが、雪道であれば、少し時間がたっても足跡を追い、じっさいに樹海の奥に入っていく企図者を保護したということです。
 また、雪山の迷子の捜索でも、足跡は確実な証拠なので、遭難にいたることなく、登山者は無事に保護されたという話もいくつも聞きました。
 以前、どこかに書いた記憶があるのですが、山麓探偵団で雪の森の中を歩いたときとのこと、ちょっとはなれた二本の木の間に、ネズミの足跡が二種類ありました。ネズミはシッポの跡も残るので、どちらが往路で、どちらが復路かもはっきりします。つまり、その二種類の足跡は、同じネズミが二本の木を行き来した証拠でしたが、そのうちの片方の歩幅が、明らかに広いのです。すかさず、だれかが言いました。「何かを期待して飛び跳ねるようにたどりついたのに、たいした成果もなく、がっかりしてトボトボと元の木の根元にもどったのか、それとも、たいした期待もなくトボトボととなりの木に行ったら、なにかステキなことがあって、飛び跳ねるようにしてもどったか? どっちかね?」そこにいた人間さまの顔が、一様にほころんだひとときでした。
 平原の真ん中では、ウサギやキツネの足跡が交差していて、といってもかなりの時間差があり、けっして混んではいないけど、小動物たちが、対面することなくも行きかう様子が、見る者にはほほえましく感じられました。わたしたちのスノウシューの足跡は、彼らの目や嗅覚には、どのように認知されているのか・・・・少なくとも、森の秩序からは外れているだろうなと、苦々しい想像をすることになりました。

 次回の第49回ごはん会は、3月1日(日)昼の12時半からです。前日の昼までにお申し込みください。

                             りすママ

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