住宅問題について

 自然映像カメラマンの伊藤浩美さんがみえて、さわやかな午後をテラスで過ごしました。数日前から抱卵しているシジュウカラの巣箱周辺がばかに静かで、親鳥のエサ運びが見られなくなったと言うと、異変にちがいないと伊藤さんがおっしゃる。彼の同席のもと、そっと巣箱を開けてみると、はたして、抱卵していた親鳥も卵も一個もなくなっているではありませんか! ヘビにやられたのです。
 数年前は、親鳥の警戒警報で集まってきた他種のホバリング加勢で(混群)、みごとに小ヘビが撤退して、ヒナ8羽が助かったのですが、今回はどうやらヘビの侵入を妨ぐことができなかったにちがいありません。苔や獣毛で造られた空っぽの産座が、初夏の日差しを浴びて、むなしく見えました。
 「住宅難なんですよ」伊藤さんが、森を見ながらぽつっと一言。「人間の過度な開発で、野鳥や小動物のねぐらや住処を壊したのだから、責任をもって造ってやらなければならない」
 「そうなんですね」
 「ムササビでも野鳥でも、巣箱が必要なんです」
 「住宅難・・・・」
 「ええ、そうです」
 ヘビにやられた巣箱をきれいに掃除して、わたしたちは再度店の壁にかけ、そのあと、伊藤さんに巣箱をかける位置などをレクチャーしていただきました。
 一度還ってきたと思われたオオルリの声が、また聞こえなくなったので、きっと営巣場所が見つからなかったか? パートナーに巡り合えなかったか? いくつかの理由が考えられます。
 抱卵を巣箱の外で見守っていた、オスのツッピーツッピーという声も聞こえなくなりました。もしかしたら、抱卵していたメスも、ヘビの餌食になってしまったかもしれないと、伊藤さんは言います。
 住宅問題に始まって、ヘビにとっても、野鳥にとっても、生きるということはたいへんな闘い、あらためて、ため息の午後でした。

                     りすママ
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