枯れ葉舞う夕ぐれに

 晩秋の突風に、色づいた葉が舞って、それはそれは、まるでフランシス・レイの世界のようです。ただそこに、イヴ・モンタンやキャンディス・バーゲン、ジャック・ニコルソンやヘレン・ハント、ミア・ファロウのような、意味ありげな渋い男女がいないだけが残念ですが、夕ぐれの森はほんとうにきれいです。
 陽が落ちて、夕食の支度をしているとき、薪ストーブの煙を外に出そうと窓を開けましたら、偶然目の前にムササビの滑空を見ました。それも、数秒差で二匹の滑空です。どちらもシルエットで、左右の森に着地したようです。いつものウロには帰巣しませんが、同じ森のどこかで、こうして日の入り後にはエサである葉をもとめて、滑空を繰り返していると思われます。冬になると、日の入り後はついつい窓を閉めてしまい、夜行性小動物の動きに縁遠くなりますが、勤勉な彼らはいつもと同じ行動をしている、すごいなと改めて思います。野生の尊さを感じます。でも、ちっともロマンチックではありません。
 地面にクルミを埋め終わったリスたちは、枯れ枝を走り回り、ときおり、すでに5カ月も空っぽのムササビのウロで昼寝なんかしています。チャーミングで滑稽です。でも、ロマンチックではありません。
 ロマンチックって、いったい何がどうなのか? 非現実的で、空想的なのがその意味だとすると、動物たちの暮らしは、あまりに現実的で、生態系からはみ出ることがありません。ロマンチックであるはずがない、そのとおり、納得しました。
 そして初老のわたしたちも、ルーティーンをこなすことに必死で、現実の中にどっぷりつかっています。この世的な希望はあっても、空想を夢見ることはなくなりました。 やっぱりね、ロマンチックであるはずがない、そのとおり、納得しました。
 突風に舞う枯れ葉だけが、なぜか? どうしてか? ロマンチックなのは、ただそこに昔観た映画の一シーンと俳優たちが重なって見えるからなんですね。映画も俳優も虚構なのに、こうして何十年も騙されたままでいる、思わず笑ってしまいました。
 
                      りすママ
 
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