季節の音
外を散歩していたら、心地よい音が耳に届きました。カサカサでもない、シャラシャラでもない、なんだろう? カシャカシャでもないけど、何か軽いものがやさしくふれ合う音、そっと横を見てわかりました。細い路地に枯れ葉が落ちる音でした。きのう落ちた枯れ葉に、新たな枯れ葉が重なる音でもありました。ささやかで、それでいて絶え間ないその音は、わたしの足音に合わせもせず、何か独自の舞台で奏でているようでもありました。今まで数えきれないほど秋の散歩をしているのに、はじめて気づいた音です。一番好きな季節、秋、それも朝。帰宅して、二階の窓から見える木々の葉も、地上から聞こえるその音に、そっと耳をすませているのか、かすかに揺れたりしています。トラックから降りた宅配便のお兄ちゃんの落ち葉を踏みこむ音も、決してささやかではありませんが、まちがいなく秋ならではの音でした。
りすママ
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