〈アラビアのロレンス〉完全版

 なんと、今から50年も前につくられた〈アラビアのロレンス〉は、あのピーター・オトゥール、アンソニー・クイーンの若き日を、なつかしむだけでも価値がある名画です。すでに何度も観たのですが、年末に完全版3時間50分がBSで放映されるというので、さっそく録画、年明けに再生してじっくり観ました。
 8年前に、この映画のロケ地であるモロッコの要塞アイトベンハドゥを訪れ、また2年前には、イギリスの軍人ロレンスが80年前に目指したアカバにも立ち寄りましたので、映画そのものに一層の思い入れがあります。
 3時間50分はあっというまでしたが、けっして英雄伝ではない、歴史上の一角をすくい取った映画の人間観に、うたれました。人間のあからさまな欲や深層を見せられて、空しさは拭えなかったのですが、こういう現実を知ることは、たいへん大事なのだと痛感しています。
 非暴力であるとか、隣人愛であるとか、理想はいくらでも言えたり書けたりしますが、じっさいにそれを実践できるかと追い詰められれば、哀しいかな、ロレンスが最後に自らの矛盾に気づいたように、ひとりひとりが大きな真っ暗な闇をかかえている事実を認めざるをえないようです。広大で不毛、生活や旅に困難な砂漠そのものが、人間の内面に重ねられる手法、名画とはこういうものだと、鑑賞後すでに何日もたつ今も、赤い砂漠の色が褪せません。
 かつては、店の冬眠中にレンタルビデオ映画を60本近くも観て、毎日が興奮と喝采の日々でしたが、今は自分の年齢にも応じて、数少ない映画を味わう、雪窓の日々であります。

                                     りすママ

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