満開の桜の中で

 富士桜が満開になり、GWのはじめに思わぬお花見ができました。南の国から渡ってきたキビタキも、どうやら桜の蜜に間に合ったようです。
 イタチに襲われたムササビですが、実は三日間ウロを留守にして、母親だけがもどってきました。顔中傷だらけで、なんとも痛ましく、思わず胸を抱え込んでしまいました。やはり、残念ながら、子どもたち二匹の姿はありません。子どもを守り切れなかった母親は、静かに、いつもよりずっと緩慢に毛づくろいをして、日の入り30分後には出巣して、滑空していきます。滑空してエサを探さなくては、生きていけないからです。ほんとうに、けなげな滑空に見えてしまいます。
 顔の傷は、日に日に癒えていくようです。そして、6月には次の繁殖期を迎えるので、体力をつけないといけないのでしょう。年に二回の繁殖期をもつメスのムササビは、妊娠期間も授乳期間が長く、一年のほとんどを子どものために生きています。
 イタチの母親だって生きていかなくてはなりませんから、彼らだってけなげな子育てをしているはずです。決して悪者ではありません。
 一日中、この小さな森を前に何度もため息をつき、ごはんを3度も食べ、毛づくろいの替わりにお風呂に入り、暗くなれば眠りにつく人間のわたしです。

                               りすママ

富士桜前線ともう一件

 例年よりおくれて、4月25日現在、我が家の庭にある富士桜は2分咲きといったところでしょうか。しかし、満開まですでに時間の問題だと思います。GWには、まちがいなくささやかなお花見ができるはずです。ささやかなというのは、富士桜の花が小さく、さらに下を向いて咲くので、今一つ華やかさに欠けるからです。
 今朝は、その枝にコゲラのつがいが螺旋状にのぼったり、おりたりしていました。
 世の中がこんなにポカポカしてきたというのに、わたしの心は、しーーーん。実はムササビのウロがイタチに狙われ、うまく引っ越せたのか? それとも餌食になってしまったのか? ・・・・・・あんなに一生懸命子育てをしていた母子の姿が、消えてしまいました。
 2月11日の帰巣初日に、たまたまいっしょにウロを見ていたさおりさんと、なぜかこの日もいっしょにイタチの木登りを目撃してしまったのです。その日は朝から母ムササビは留守でしたが、子どもたちだけで留守番している気配はありました。そこを狙ったイタチは、ウロをのぞきこんだだけで、わたしたちの叫び声に、その時は退散したのですが、日入り後になってまた登ったのでしょう。
 翌朝、ウロは空っぽでした。しーーーん。
 そして今朝も空っぽでした。しーーーん。
 だれも、気休めや慰めを言わないし、解説もしないのが、わたしには救いです。

 次回のごはん会は、5月7日(日)午後6時からです。オカズ一品と義援金500円で、前日までにお申し込みください。

               りすママ

不思議の森のアリスたち

 映像カメラマンの伊藤浩美氏を団長に、13名で青木ヶ原樹海を歩いてきました。17年前に山麓探偵団をはじめて以来、何度も歩いてきた樹海ですが、一度として同じコースはありません。今回も、神座風穴、蒲鉾風穴、横型溶岩樹型など、人知れず奥に鎮座する洞穴周辺、時には道なき道のカラ松やホウ葉を踏みつつ歩き、たいへん気持ちのよい一日でした。
 最近の多雨で、溶岩上には多種多様のコケがみずみずしく広がり、そのミクロの世界には、思わずだれもが引きこまれてしまいます。ルーペで覗いてみると、コケの集合は実はなだらかで、美しい森だということがわかります。どこまでもつづくその森は、ルーペを外すと、今度は溶岩を覆うビロードの絨毯と化します。
 背を伸ばし、馬酔木(あせび)、鬼しばり、フデリンドウ、ハリギリ、五葉松(ごようまつ)などの植物を愛で、三十三歳(ミソサザイ)やコゲラの鳴き声に耳をすませます。
 腰が痛い、膝が痛いなどと言い合っていた13人には、それぞれとっておきの話があって、例えばヒメネズミがね、何度もベランダを横切ってエサを運んでいたとか、リスがちゃっかり鳥の古巣を食堂にしてたとか、ヤマネが布団の中で冬眠していたとか、テンはなぜあんな石の上の真中にフンをするのだろうね? とか、あはは、いや、それはさあ、あら、いやだ、あはは、などとだんだん皆は年齢を忘れ、通路式の洞穴をくぐって、ふと消えたりする人、思わぬ場所からひょこり現れる人もいて、まるで不思議の森のアリスたちのように、それぞれの時間を越えていきます。
 平安時代後期に、数年間にわたって寄生火山の噴火がつづき、その間ずっと溶岩が流れ、また数年間かかって溶岩が冷え、陥没を繰り返した後、100年間に堆積する土はわずか1センチという厳しい環境の中で育った奇跡の森、それが青木ヶ原樹海です。根をはるにも土のない溶岩に、必死にからみついて生き延びてきた樹木と灌木の、まさに命みなぎる森、樹海に行くたびそう思います。
 そして夕方に帰宅してから、ひとりでムササビの出巣と滑空を見届け、この世の時計の針に、いったい何を約束したらいいのか? と考えたりもしています。

                    りすママ
 
 

3月下旬の雪景色

 3月25日の夜半から、ほぼ24時間降りつづけた雪は、山中湖で60センチの積雪となりましたが、さすが春の雪ですので、道路はすっかり開通し、森の中だけ真っ白という状況です。
 丸二日間、新聞も郵便も配達がありませんでしたが、ITやTVの情報、食料の備蓄もあり、近所の方々のご親切な雪かきもあって、下界とつながることができました。みなさん、ほんとうに、ありがとうございます。
 実は、ほぼ間違いなくムササビが出産し、出巣時間の変化を逆算すると、どうやら3月14日が出産日と推定されます。産後二週間、母親は出巣せず、いったいだれがエサを運んでいたのか不思議でしたが、3月28日の昨日より、日の入り後30分以内に出巣し、久々の滑空を見せてくれました。
 きょうも、母親は出巣直前まで一生懸命に子どもの世話をし、午後6時33分に出巣の際は、外敵から子どもを守るためか、ウロの入り口をしっかり巣材で塞ぎ、出巣、滑空していきました。エサを確保するためには、どうしても子どもに留守番させなくてはならない時期のようです。母性のきめ細かさに圧倒されています。
 子どもの姿は、瞬間的にちらっと見えるだけで、ものの本によりますと、出産後約50日でウロから顔を出すというので、もし引っ越しをせずにずっと、あみんのウロにいてくれたら、たぶんGW前あたりに子どもが顔を出すかもしれません。ちなみに、ウロは漢字で樹洞と書きます。
 夕方から、主婦が夕飯の支度もしないで、ベランダでひとりムササビの観察をしていると、森の下の方から何やら気配がして、ふと見ると3匹の鹿が、怪訝そうにこちらを見上げているではありませんか。「あなた、何してるの?」という、鹿さん独特の、あのあどけない目です。こればかりは、彼らに説明できませんが、ギャラリーの、そのまたギャラリーがいたなんて! ね!

                         りすママ

                    

           
 
  
 
 

無事に開店しました

 3月18日(土)、春の開店をしました。仲間展の展示もあり、賑やかではありませんでしたが、開店時から閉店時まで、どなたかが必ず店にいてくれた初日でした。
 ムササビもすでに8連泊で、意味深な滞在をしております。いずれ、ご報告できると思います。
 仲間展の微笑ましい作品に、みなさん笑顔になり、話題が広がります。
展示は4月9日までですので、どうぞお見逃しのないように、ご来店ください。

リス2匹、ムササビ、モモンガ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、ウソ、鹿、少なくとも本日、目で確認した森の生き物たちです。

尚、4月のごはん会は、仲間展の搬出をかねて、4月9日(日)午後6時からです。義援金500円とオカズ一品で、
前日までに申し込みをなさってください。

    りすママ
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