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この寒風の中

 長年、わたしたちは店の冬眠中であった1月10日辺りから2週間くらい、恒例のバックパッカー旅をしていました。ヨルダンのペトラとか、ウズベキスタンのフェルガナ、モロッコとか、隠岐の島とか、よりによって真冬の一番寒い時に出かけるわたしたちが、いかに珍種だったか! こうして家の中にいると、なお一層よくわかります。
 旅の間は、たしかに寒く、野の花や鳥のさえずりには遭遇しませんでしたが、寒くていやだなとは全く感じませんでした。凍りついた旧ソ連の旧市街を、朝から夕暮れまで歩きつづけていたのが、まるで前世だったように思い出されます。
 ペトラの大遺跡では、歩いても歩いてもその広大な虹色の岩肌がとぎれることなく、ほんの小さな現代人たちを寡黙にしました。隠岐の島では、大空の下、だれもいない断崖絶壁の上に放牧された牛たちのわずかな動きに、見とれました。
 そして、旅を終えて山中湖にもどり、あらためて真冬の冷たさに気づき、思わず笑ってしまうほどでした。凝りもせず、また翌冬の旅の行先を考えるのも、また真冬の楽しみでもありました。
 寒さというのは、つくづく相対的な感覚だと、今はコタツに足をつっこんで地図を眺めながら、そう思っています。このところずっと、寒くて冷たいです。

               りすママ

なつかしい野鳥たち

 毎冬、富士桜の花芽をついばみにくるウソという胸がサーモンピンクの野鳥を、加古坂神社境内で見かけました。全国の梅園や桜園からは害鳥呼ばわりされて追われる野鳥のようですが、山麓では大歓迎です。
 その後、我が家のベランダで、久々のゴジュウカラとメジロに再会。メジロは、以前子ヘビがヤマガラの孵化したばかりのヒナをねらったときに、加勢にやって来た混群の中で見かけて、「あら、メジロさん、森にはちゃんといたのね」とおどろきましたが、どうやら普段は人の目の届かない森の奥で暮らして、いざ出番という時だけ現れるようです。ウグイスよりずっと色がきれいで、それに、やはり桜の花芽が大好きです。新年早々、なつかしい野鳥たちに出会えて、こいつは春から〇〇〇がいいわい!
               りすママ
          

大晦日のノックアウト

 この村ではいつのころからか、大晦日に小学生(保育園生や中学生は該当外)が半紙に書いた習字を身内や近所に配って、1000円札をもらい、それが事実上のお年玉という習慣があります。もちろん、うちの息子たちも何枚も書いて、知り合いの家に配って自分たちの小遣いにさせてもらった記憶があります。
 そのお習字は、どこの家でも神棚か床の間に縦に吊るされ、どんど焼きまでの二週間、年始客の言いたい放題の評を浴び、酒の肴になるというわけです。おとなりには小学生がひとりと、その身内にひとりいるだけなので、去年まで、我が家には2枚の半紙が吊る下がっていたのですが、今年は小学生がもうひとり増えて3枚になりました。習字が2枚とえんぴつの詩が1枚、なかなかいいものです。
 わたしは青空の下、思い切って外に出ました。親が運転して習字を配る車の後部座席に座った子どもたちの声が、窓越しに聞こえました。面識のない子どもたちの、単なる通行人を見る無邪気な声です。「あっ、おばあちゃんが出てきたよ」。もちろん、間違いではないのですが、予期せぬノックアウトは、2020年の締めくくりにふさわしい大パンチで、笑えるまでかなり時間がかかりました。
            りすママ

となりのジィジィ

 おとなりの家とは、もう40年以上のおつきあい。すでに世代も変わり、4歳から10歳までの3人の男の子の孫たちが、寒さをものともせずに外遊びをしています。わたしたちが薪割りや薪運びをしていると、そばで走ったり、時には手伝ってくれたり、二言三言言葉を交わすうち、いつしかとなりのジィジィと呼ばれるようになりました。彼らの本当のジィジィと、ちゃんと区別しているのです。
 時には、うちの玄関に「となりのジィジィ」とお誘いがあります。きっと、いっしょに遊びたいのでしょう。「今ね、うちのジィジィはお仕事だから、またね」と答えた後、玄関を出てみると、泥んこのクルミや栗が小山になって置いてあるではありませんか! まるで、ゴンギツネみたい! 3兄弟で森を走って集めた姿を思い浮かべ、可愛くて、うれしくて、今も崩さずに眺めています。
 彼らの本当のバァバァは、25年前のある日突然、くも膜下出血で他界しました。48歳でした。25年もたつのに、彼女の居場所であった物干し場に彼女の姿が見えないと、ふときょうはどうしたのかな? と今でも思ってしまうとなりのバァバァです。
 時間は過ぎるが、時(とき)は過ぎないと言われます。玄関前のクルミや栗を見ると、大きな時(とき)の中にいるのを実感します。
 
                  りすママ

ひとり川柳 その2

 我が家では、突風に吹かれて落ちたヒバや枯芝を札束と呼んでいます。油分が多く、薪ストーブのたきつけには欠かせない助っ人だからです。たった10分くらい近所を歩いただけで、わたしはもう大金持ち! ほんとに豊かな気もちになります。

・たきつけの 枯芝集め リッチなり

・鹿さえも モミジの絨毯 ふち歩き

・母が問う、しゅうめい菊とは 終わる命か?

・朝ヨガに 消えゆく月の 視線あり

・母が問う、火葬の煙は どこへ行く? 

            りすママ
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